延世大学国際学部(UIC)Jesse Sloane教授招請、水曜フォーラム開催
- The Khitan and Jurchen : Current Research in Europe and North America -
財団は5月7日、11階の大会議室で、「契丹と女真についての研究現状」をテーマに、 延世大学国際学部のJesse Sloane教授を招請し、水曜フォーラムを開催した。
Jesse Sloane教授はフォーラムで、契丹と女真の歴史に対する欧米の学界における研究状況を紹介した上で、比較史的研究の視点から自らの見解を発表した。
Sloane教授は「契丹と女真についての西欧の研究方法論は、中国中心の歴史叙述とともに時代的背景を考慮しない研究が主だ」と説明した。その上で、中国文明の優越性を前提にした中央執権制度の強化などを「中国化」と一般化する西欧学界の研究に問題提起をし、「歴史的視野を広げた比較史の観点から、契丹と女真の歴史を研究する必要がある」と強調した。
Sloane教授は、契丹を遊牧文化を基礎にした国家ではなく、文明的、文化的能力を持つ国とみた。また契丹の言語や建築、墓地など多様な遺跡から、契丹が自らのアイデンティティを維持していることが分かるとし、「それは西欧学界の研究でこれらの国の発展を「中国化」とみるのがいかに単純な見方なのかを証明している」と説明した。また女真も「中国化」基盤の歴史研究ではなく、「知性史、医学史、宗教史の側面」を比較史的観点から研究すべきだと主張した。
Sloane教授は最後に、「契丹と女真の研究で、「中国化」を前提にするのではなく、これらの国を独自に研究する観点が必要だ」と強調した。